「もの忘れ」は認知症のサイン?早期発見・早期治療で認知症を防ごう

認知症

認知症は、高齢者にとって誰にとっても避けられない問題です。
しかし、近年では治療法や介護方法も進歩しており、適切な対応によって症状を悪化させずに、長く充実した生活を送ることができます。

大切な家族の異変を感じたり、最適な介護施設で安心して預けたいという方にも、まずは種類や症状、治療法、予防法まで、認知症に関する疑問をこの記事で、解決してみましょう。

認知症とは?症状別に解説


脳の異常

認知症

認知症は、脳機能が低下することで発症する病気です。
原因は多岐にわたり、脳の神経細胞が徐々に失われていき死滅したり、機能の異常が主な要因です。

記憶力や判断力、思考力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたすようになります。

認知症の症状

認知症の症状は多岐にわたり、初期の段階では気づきにくいこともあります。

□理解力・判断速度

認知症になると、理解力や判断速度が低下します。
簡単な計算や判断が難しくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
質問の意図を理解できない、計画的に物事を進められないこと等が挙げられます。

集中力・作業能力

集中力が低下し、以前は簡単にできていた作業が難しくなります。
これにより、仕事や趣味においても影響が出ることがあります。
家事や仕事などの作業が困難になる、同じことを何度も繰り返すといった症状が挙げられます。

精神的混乱や落ち込み

認知症の進行に伴い、精神的な混乱や落ち込みが現れることがあります。
これにより、本人だけでなく周囲の家族も精神的に疲弊することがあります。

幻覚や妄想を見たり、攻撃的になったり、暴力的な行動をとったりする症状が出る場合があります。

認知症の進行度

認知症

進行度によって大きく4段階に分けられます。

軽度認知障害(MCI)日常生活に支障はないが、以前より物忘れや集中力の低下を感じる。
軽度認知症日常生活に支障が出始め、家族や周囲の助けが必要になる。
中等度認知症日常生活の大半に介助が必要になり、施設での生活が必要になる。
重度認知症寝たきりや認知機能の著しい低下となり、介護を常時必要とする。

軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI)は、認知症の前段階とされています。
日常生活に支障をきたすほどではないものの、以前より物忘れや集中力の低下を感じるなどの症状が現れます。
早期発見・早期治療が重要です。
MCIは適切な治療や生活習慣の改善によって、進行を抑制できる可能性があります。

認知症ともの忘れとの違い

認知症

通常のもの忘れと認知症の違いは、明確な境界線があるわけではありません。
しかし、一般的には頻度と影響範囲の点が異なります。
通常のもの忘れは一時的なものが多いのに対し、認知症は持続的かつ進行性です。

もの忘れ一時的なもので、思い出すことで記憶が蘇る
認知症進行性で、症状が改善することはない

認知症の主な種類


認知症には、いくつかの種類があります。
代表的なものは以下の通りです。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、最も一般的な認知症の一つで、全体の約6割を占めます。
脳内にアミロイドβやタウたんぱく質などのたんぱく質が異常に蓄積することで神経細胞が破壊されます。
進行が緩やかであり、初期症状は記憶障害から始まります。

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳血管などの脳血管障害が原因で発症します。
全体の約2割を占めます。
脳卒中や一過性脳虚血発作などが引き金となり、症状は段階的に進行します。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体という異常なたんぱく質が蓄積することで起こる認知症です。
全体の約1割を占めていると言われています。
主な症状は、認知機能の変動や幻覚、パーキンソン症状です。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉の神経細胞が萎縮し徐々に失われていくことで起こる認知症です。
全体の約1割を占めていると言われています。
初期症状は性格や行動の変化が主で、物忘れよりも行動の異常が目立ちます。

認知症の中でも治療可能なケース


認知症

以下の認知症は、適切な治療によって症状を改善したり、進行を抑制したりすることが可能といわれています。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫は、頭部外傷などによる血腫が原因で脳と硬膜の間に血腫が溜まる病気です。
認知症様の症状が現れることがあります。
治療により回復するケースが多いと言われています。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気です。
甲状腺機能低下症による認知症は、ホルモン補充療法によって改善が期待できます。

正常圧水頭症

正常圧水頭症は、脳室内に過剰な脳脊髄液が溜まる病気です。
脳脊髄液の循環障害が原因で認知症様の症状が現れます。
シャント手術により症状が改善することが多いと言われています。

軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害は、早期の治療や生活習慣の改善により進行を遅らせることが可能と言われています。

治療が困難な認知症


アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などの進行性の認知症は、現在のところ治療が困難であり、根本的な治療法はありません。
しかし、薬物療法や非薬物療法によって、症状を改善したり、遅らせることが主な治療目標となるようです。

認知症の治療について


認知症

認知症の薬物療法

認知症の薬物療法は、症状を改善したり、進行を抑制したりする効果があると言われています。
現在、認可されている認知症治療薬は3~4種類程あるようです。

これらの薬剤は、医師の診察のもとで処方されます。

認知症の新薬について

近年、認知症の新しい治療薬の開発が進み、認知症の進行を遅らせるための新薬が次々と開発されています。
これらの薬は、病気の進行を遅らせたり、神経細胞の再生を促進したりする効果が期待されています。

いつまで薬を飲み続けるの?

薬

認知症の薬は、症状を改善したり、進行を抑制したりする効果がありますが、根本的な治療薬ではありません。
薬物療法は長期的なものであり、症状の進行を抑えるためには継続的な服用が必要です。
定期的な医師の診断を受けながら治療を続けることが重要です。
症状が安定している場合は、医師と相談しながら服薬を続けるかどうかを判断する必要があり、自己判断するのは止めましょう。

認知症の非薬物療法

認知症の非薬物療法は、リハビリテーションやカウンセリング、認知行動療法などが含まれます。
薬物療法と併用して行うことで、認知症状を改善したり、QOL(生活の質)を向上させたりする効果があると言われています。

代表的な非薬物療法は以下のような内容があるようです。
人それぞれで症状が違うため、医師の診断で療法が選択されます。

認知リハビリテーション記憶力や思考力などの認知機能を訓練することで、低下を抑制したり、改善したりします。
作業療法日常生活動作に必要な動作を訓練することで、自立度を向上させます。
レクリエーション療法音楽療法やアートセラピーなど、楽しみながら脳を活性化する活動を行います。
介護者支援介護者の負担を軽減するための支援を行います。

認知症の症状を悪化させないための予防


認知症

認知症は、完全に予防することはできませんが、生活習慣の改善によって、発症を遅らせたり、症状を悪化させないたりすることが可能です。

生活習慣病の予防

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、認知症の発症リスクを高めることが分かっています。
これらの生活習慣病を予防することは、認知症予防の重要ポイントです。

運動

運動は、脳の血流を改善し、神経細胞の再生を促進する効果があります。
ウォーキングやジョギング、水泳などの定期的な有酸素運動は、脳の血流を改善し、認知機能の維持に効果的です。

食事

バランスの取れた食事を心がけることで、脳の健康を保つことができます。
脳の健康に良いとされるDHAやEPAを多く含む魚介類や、オメガ3脂肪酸やビタミンEなどが豊富な食品、ビタミンB群を多く含む緑黄色野菜などを積極的に摂取しましょう。

コミュニケーション

家族や友人とのコミュニケーションを積極的に行い、社会的な交流や趣味活動を続けることは、脳を活性化し、認知機能の低下を予防する効果が期待できます。

認知症を知って早期発見・早期治療しよう


認知症

認知症は早期発見・早期治療によって、症状の進行を抑制し、長く充実した生活を送ることができます。
少しでも「おかしいな」と異変を感じたら、早めに医療機関・専門医に相談することが大切です。

認知症は、高齢者にとって誰にとっても避けられない問題です。
しかし、適切な知識を持ち、適切なとサポート対応をすることで、認知症の症状を悪化させずに、安心して充実した生活を送ることができます。

この記事が、認知症について理解を深め、大切な家族を支えるための参考になれば幸いです。